-
生産者について
4月。山菜が芽吹き始める頃です。この時期になると星野山菜園関係者は一斉に動き出します。関係者と言っても親戚一同なのですが、各地から群馬県の山奥を目指し集結します。山菜を人海戦術で収穫するためです。わらび、タラの芽、ふき、山椒、収穫時期は微妙に異なるのですが、被る時期もあります。この被った時期の収穫はかなり大変です。
各所にある畑に分散して収穫し、場合によっては友人家族や知人、挙げ句の果ては犬まで狩りだし一気に収穫します。ワイン農家と全く同じ苦労を経験します。しかも平行して道の駅での販売も始まります。さらには田植えの準備も始まります。
そんな大変なのになぜ親戚一同集まるのか?それはご先祖から代々受け継いだ土地で、祖母が始めた山菜の加工品の販売をなんとか子孫に引き継いでいこうというみんなの気持ちがあるからです。
一度畑に入るとみんな必死です。踏みつぶさなければならないほど生えまくった蕨を折り取り、とげが指に刺さりそうになりながら山椒の芽を摘み取ります。犬は犬で畑に落ちている野獣の糞の臭いをかぎ、昼寝をし、人には見えない何者かに吠えと大忙しです。
そして一仕事終えるとどおんとお食事会が始まり、シーズン最後には地域の住人より多い人数が集まり大宴会です。
星野山菜園はこんな感じです。
そして私のことも少しだけ。
母方の実家は酒屋を経営しており、特に祖父は利き酒が非常に得意だったようで、各地の利き酒会で、賞をもらっていたようです。そして100歳近くで直食欲旺盛な母方の祖母。
私は父方よりも母方の血をより濃く継いだようで、給食を食べるために小中学校へ通い、成人してからは、美味しく食事するために酒の味を覚え、挙げ句の果てには利き酒師の資格をとったという経緯があります。そして、食い意地飲み意地だけは誰にも負けない自信があり、飲み会の折には常に割り勘勝ちしております。
そういうわけで、よろしくお願いします。